実験室「め」

救急看護師を辞めてフォトジャーナリストへ。自分を生きてみたら何が起きるか実験中

人間にはどうしようもない、ぐちゃぐちゃになる時だってある

「恥の多い生涯を送ってきました」
 
 
から始まり、大庭葉蔵という1人の青年の破滅的な人生が描かれていて、相手の感情が理解できなかったり、人間を疑う人生を送る男の物語でした。
 
高校一年生の時に、その「恥〜」の冒頭から始まる太宰治の「人間失格」が夏休みの課題図書で出ました。
蝉がなく暑い日にすごすごと本屋に行き、人間失格を買いさっさと読んで感想文を書いて終わろうと読み進めました。
 
 
 
 
どのような感想文を書いたのか出せませんが、記憶に残っているのは「読んでなんか死にたくなる本だったよな…笑」と友人達と冗談まじりに感想を言っていたことぐらいしか覚えていません。
高校一年生だった時の自分の感性の辞書の中には、人間失格に出てくるような感情展開はなく本を読んでもあまり理解できず、主人公の感情が自分の頭の中で表面的につるつる滑っている感覚でした。
 
 
 
 
しかし、生きる事を重ねていると、色んな挫折や絶望を味わったり、失敗したり、もうどうしようもない自分に出逢うことも多くなってきました。あ〜自分ってなんてどうしようもない人間なんだと絶望感でいっぱいになります。
 
人間にはもうどうしようもない、ぐちゃぐちゃになる時だってあるんだよ!と思います。
 
 
 
高校一年生だった時には、よくわからなかった人間失格のどうしようもない男の人生を、今は少し理解できるのではないかと思います。
どうしようもない自分を絶望しながらも、そんな自分と手をくんだ時に、自分も人も許せるのではないのかなと今は感じます。
これが、60代、70代、80代、90代になって読んだらまた違う角度から色んな人間失格を見れるのではないかな〜と感情展開がどうなるのか、楽しみです。

 

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もうすぐひまわりの季節ですね。