人も本も問われる時代
大学時代の友人で、本が大好きで編集者になり日々本と向き合っている彼女とは東京に行くとお互いの近況を話しています。
本や字が大好きな彼女の言葉の選別はとてもおもしろく「コンビニどら焼きにみる近年の○○」など、なかなかいつもおもしろい話を繰り広げています。
先日打ち合わせで東京に行っていた時いつものように彼女の部屋で話をしていると、
「今、本が問われる時代だよね」という話になりました。
やはり本もビジネスなので、売れなさそうな本は作られないと。
一概に言えないけども、目先の利益で出されていく本がたくさんある。
彼女も日本の失われている原種の本を出したいと企画しているものの、売れないよという理由で企画が通らないとのことでした。
今日本の種はF1種とい次世代が育たない品種の種がほとんどになっていて、その大本の会社がアメリカのモンサント社。そのF1種に合った農薬、肥料なと二次的に購入する。
2014年に韓国で行われた生物多様性条約会議でも色んな国がF1種やモンサント社のことで問題になっていました。(実際行ってきました。)
何が問題かというと一世代だけしか育たないということは、この島国日本で自立できないということ。今は直接の殺し合いの戦争だけではなく、食料水という方面からじわじわ気づかないあいだにコントロールされているのが現状だと思います。
その危機感や、原種の大切さから日本古来の種の保存をしている団体もあります。
この状況ためにも、彼女の出したい原種の本は大切なのではないかと私は思います。
沖縄辺野古の抵抗運動を撮らせてもらっていますが、やはり写真集は今売れない時代だし若い人も見ないよ。と時々言われます。
すぐにお金にならないからと言って撮ることを辞めるかと言われるとそうではなく、長いスパンで見た時、何十年か後何か後に生きる人達のヒントになる可能性のことも考えて今を記録することは大切なのではないかと思っています。
戦後報道写真を撮っていた菊次郎さんの三里塚闘争の写真の中で、戦っている人達の顔が、抵抗の様子、国家権力の暴力、人として何を大切にしていきたいのかを見た時に、自分は生まれていないけども記録があることで次を考えられることがあります。
そんな話をしている中、友人のやっているシェアハウスに遊びに行った時、住人と何気なくネイティブアメリカンの話になり、ネイティブアメリカンの本を出した人を知っているよ~となり、つないでもらい3日後じゃこめてぃ出版の編集者の石川さんにお会いできることになりました。
ネイティブアメリカンに出逢い様々な伝承や生き方に接することができて、今まで忘れていた生き物本来の感覚を取り戻していく過程で、彼らの存在は私にとって不可欠でした。
いや、私だけではなく、不安から今の目に見えるものを優先して目に見えないものの大切さを失ってしまった今、日本の土地に生きる私たちが本来持っている大切なものを思い出す一つのきっかけになるのではないか。と思うんです。
石川さん、ある絵本を持って来てくれたんですがそれがまた湯気の出る絵本だったんです。続く